夜中に部屋を漁っていたら、大学のころ買って一度だけ読んだ末井昭の『自殺』が出てきた。内容はあまり覚えていないが、当時読んだ際に途中から「なんやねん」という気持ちになって投げやりに読み飛ばした記憶があり、特に今後読み返すこともなさそうなため、売ることにした。メルカリを開いて調べてみると、これがけっこう売れている。今自殺について考えている人が結構いるのだろうと思うと同時に、こう何か救いになるものに手を伸ばそうとしていることに希望のようなものを感じた。まあすべては勝手な想像でしかないのだけど。

 

どうしてもこの夜を乗り越えられない、と思う瞬間がある。まわりの人々や過去のことこれからのこと全てから引き剥がされ、たった今の自分ひとりで、このときを耐えられるかを試される瞬間がある。強制的に一対一で対峙させられ、だれも何も助けにはならない瞬間がある。何度もあったのに、いつも怖くて、どうしていいかわからなくなる。どうにか乗り越えられますようにと、時間潰しにしかならないけど、どうにか時間を潰すことが大切で、祈るように今も書いている。